HyperLolia in Novel 03
Written and Presented by Eren=fox.


ふとしたことで知り合ったリンカーネイトという剣士の連れのハンター、シーザリスを助けた
ロリア達は、モンクのエレンと商売から帰ったクアトさんと合流。
ハンター救出劇の疲れをとるべく休憩しているのだが…。
「あっははは、1匹に時間かかるねー。」
沸いていた。
それはもう普通なら休憩している余裕なんて無いはずだが、
町まで帰っていたエレンに一応のプリーストであるアイネ、
それに元気を取り戻したリンカーネイトの3人でことごとく捌いていく。
現在リンカーネイトが3ポイントリード中だ。
「う・る・さ・い。リンは大雑把すぎだね、空ぶってるすがたが可愛いですこと。」
リンカーネイトに嫌味を飛ばしつつクランプを回避し、
インジャスティスの鳩尾に拳をめり込ませると気を放つ。
「破っ!」
気合とともにインジャスティスが崩れるように倒れる。
エレン1ポイント獲得。
その後ろから狙ったようにクランプが飛び出してくるが、その小さな体に
見事アッパーを決め打ち上げると、横に沸いたゾンビプリズナーの一撃を受け流す。
掌底から捻る様なストレート、最後に一気に間合いを詰めて
至近距離でのボディーブローの連続技でゾンビプリズナーの
巨体が浮く。
瞬間、目にも留まらぬパンチの連打
「だだだだだだだだ。」
ゾンビプリズナーが読んで字の如く崩れると、瞬時に気を溜め込み拳に乗せ、
「裂っ!」
体の内側から響くような鈍い音と共に打ち上げられていたクランプは地面に着くことなく吹き飛ぶ。
エレン2ポイント追加。
一方リンカーネイトは、力任せな戦法なのだがそうは感じさせないように
今までと同じく、踊っている感じがする。
身を屈めインジャスティスのなぎ払いを回避すると、すり抜けざまに
一閃、そのまま半転し、剣だけを地面と水平に回す。
剣を右手から左手に持ち替え、インジャスティスの首目掛けて一気に加速させる。
ダルマ落としのようにスパンッと首だけが飛ぶ、
そのまま体ごと一回転させ、後ろに構えていたスケルトンプリズナーを一撃で粉砕。
リンカーネイト2ポイント獲得。
リンカーネイトは回転したまま更に剣の軌道を縦に変え、その力で飛ぶ。
孤を描き様子を見ていたフェンダークに襲い掛かる。
「せやぁ!!」
ザンッ。まさに一刀両断。
リンカーネイトはフェンダークの頭上を飛び越え、剣ごと回転したまま背面から斬りつけたのだ。
着地と同時にフェンダークは2つに割れた。
リンカーネイト1ポイント追加。
ちなみにアイネは2人に支援魔法を一通り掛けると座って、見学と決め込んでいる。
スピードに任せたエレンと力に任せたリンカーネイト、
どちらにも言えることは1つ、それぞれのスタイルに合わせた修行を積んでいること。
自分のスタイルを崩すことなく、1つの力を鍛え上げる人々のことを「極型」と言う。
一方、ロリアやフリーテのように不得意を少なくしようと弱点を埋めていく人々は「平均型」と呼ばれるが、
一概に「平均型」といってもまた人それぞれあるわけで・・・。
平均型は大変である、なんせ自分の苦手なものを一生懸命やることが修行になるのだから。

「リンちゃんて剣士なのにそこら辺の騎士より強いね。」
クアトがお茶を出しながらリンカーネイトを褒める。
「そうでもないよ、まだまだ上は高いし。」
そういって笑うリンカーネイトにはまだ幼さが残っている感じだ。
なんせリンカーネイトはまだ15歳。
普通ならこのくらいの年からノービスを始めるくらいが丁度いいはずだが、
リンカーネイトは幼いころから剣を握っていたため、この年にして
すでに一人前の冒険者として生活していた。
「リンカーネイトさんはずっと剣士で?」
フリーテが興味有り気に話に介入する、
珍しいというわけではないが、縛られることを極端に嫌う人間は結構居る。
騎士やクルセイダーといった職に限らないが、
職が高くなるにつれ、それなりに縛りがくる。
それが嫌で、上位を目指さず比較的自由な下位職に留まる者。リンカーネイトもその1人だ。
「ええ、そうですよぉ。」
先の戦闘とは打って変わってのほほんとした性格に戻る。
「どうも、上位職に抵抗がありましてぇ・・・。」
リンカーネイトはそういってお茶を啜る。
「気になったんだけどさ。」
アイネが団欒しに近づいてくる、どうやらシーザリスはもう平気なようだ。
エレンがアイネの代わりにヒールを掛けているようだし、ひと段落といったところか。
「リンって本当の性格はどっち?」
アイネが遠慮も無くリンカーネイトの顔を覗き込む。
「う〜ん、どちらも私ですぅ。としかー。」
頬に人差し指をあてがい、空を仰ぐように答える。
「ちょっ、アイネ。いいじゃないどっちだって、失礼だよ。それより私達あまり長居しちゃ邪魔だよ。」
ロリアがそろそろと腰をあげる。
「そうですね、シーザリスさんも傷はほぼ治っているようですし。」
フリーテも続いて立ち上がる。
「うぅぅぅん、あれ?もう行くの?」
周りの変化に気付きメモクラムが起きた。
「うん、私達もそろそろ帰らないと。夕飯の準備してないんだから。」
ロリアのこの一言に一同は現実へと引き戻されたのだった。

そして日が落ちかけているフェンヨンへと帰ってきたロリア組は家で寛ぐことになった。
1名を除いて。
「うん?メモすけ。どこいくの?」
玄関先でクアトからポーションを受け取っているメモクラムがいた。
「へ・・・・えぇ・・・っとねぇ。どうしようかな。」
少し困ったような表情を浮かべ、ぽりぽりと頬をかく。
「大丈夫ですよ!メモちゃんならお夕飯までには帰ってきますから。ね。」
「どわぁぁぁ!?」
いきなり後ろから知らない声がしてアイネは思わずメモクラム達のほうへと走る。
「だ、だ、だ。」
心臓がバクバクしすぎて、口がパクパクしているアイネ。
「あれぇ?そういえば初めまして。ですね。」
クスクスと声は笑う。玄関に誰か居るのだろうが、目には見えない。
メモクラムが仕方なさそうに溜息をつき、人差し指をたて
「サイト」
小さな灯火が人間の見えないものの姿をあわらにする。
声の主はアサシン、背中に長剣、腰に短剣が3本。
2刀流使いのようだ、立ち振る舞いには隙がなく、
アイネ、メモクラム、クアトの3人では勝てそうも無かった。
「いやぁん、メモちゃんったら、暫く見ないうちにまた可愛くなってぇ。」
いきなりメモクラムに飛びつく。
その光景に、ただ見物しかできないアイネとクアト。
「お姉ちゃん、どうでもいいけど、自己紹介してからにして・・・。」
メモクラムの溜息のわけはこれだった。
ちなみにメモクラムの姉、改めセモリナはメモクラムに夢中なためここで説明しておこう。
実はメモクラムは1人っ子ではなく、姉妹が居た。それがセモリナ。
幼いころから親と共にメモクラムを可愛がってきたが、モンスターの動きが活発になると
「メモちゃんは私が守るの!」とかいいつつ1人修行の旅に出てしまっていた。
まぁ1人で修行に出ておいてなにが守るだ。とかは突っ込まないでおこう。
セモリナは1つの物事に対して夢中になると周りがあまり見えない場面がたまにある。
そんな彼女だが、とても努力家で小さなことでもコツコツとこなしていくマメな性格で、
アイネと職業を取り替えたほうがいいんじゃないのかと思う人も居るかもしれないが
彼女なりに考えた結果。「殺られるまえに殺れ」に至り、アサシンへと転職。
そして、現在、感動(?)の再会中である。

「で、お姉ちゃん。」
メモクラムはセモリナと話がある。
と、家から少し離れ、フェイヨンの森にきていた。
「ん?何?メモちゃん。」
ニコニコと、セモリナは本当にメモクラムとの再会を喜んでいた。
「修行しに行ったのはいいけど、なんでアサシンなの…、てっきりプリーストになるのかと。」
メモクラムの意見はもっともだった。
守る。といっておきながらなぜに攻撃的なアサシンなのかと・・・。
それは先に説明したセモリナなりの考えの結果だかた仕方ないのだが。
「う−ん、世の中ってそううまくいくものじゃないわよ?」
諭すように言われてしまったメモクラムは最早こういう姉を持ってしまったと、
ほぼ諦めていた。
決して嫌いなわけじゃない、小さい時にもよく世話してもらったし、
この姉のことだ、広い世界にも関わらず、メモクラムのことを探していたのだろう。
現にこうやって再会できていることが証拠にもなる。
愛されていて悪い気がするわけではないが、
どうも抜けているというか考えが一筋過ぎてたまに理解できないことがあるだけだ。
「まぁいいや、とりあえずわたしこれから転職しに行こうと思うの。」
メモクラムが姉にいきなりな告発。
「まぁまぁまぁ、じゃぁ応援に行かなくちゃ。」
セモリナは自分のことのように妹の転職への挑戦を喜んだ。
「待って、みんなと待っていて欲しいの。」
メモクラムがそんな姉を制す。
「えぇー、何でー。」
セモリナも流石に不服そうに拗ねる。
「お姉ちゃんはきっと、今まで私を探してくれたよね?」
「当たり前じゃない!お姉ちゃん、1日だってメモちゃんのこと気にしなかった日はないわ。」
「だから、待っていて欲しいの。今度は私がお姉ちゃんに会いに行くの。生まれ変わった私をみんなと祝って欲しい。」
たった1人の姉も大切だが、今まで過ごしてきたみんなも大切だった。
そんな大切なみんなと姉を天秤に掛けることなんてできなかったし、
何より自分が成長したところを姉に見て欲しかった。
「うぅ、わかったわ。さっきの家でおとなしく待ってる。」
少し悲しかったが妹の頼みだし、まだメモクラムの仲間全員に挨拶を済ませていないことも
少しだけ気にかかっていたので、承諾した。
「その代わり、しっかり転職して帰ってくるのよ。」
メモクラムにむかって拳を突き出す。
「もちろんよ!」
姉の拳にコツンと当てると、カプラ転送へと向かった。
転送直前、偶然鉢合わせたクアトがメモクラムにガッツポーズを送る、
今日は外で露天を開いて寝るつもりであろう。
メモクラムはウインクすると、遥か北の町へと転送された。

3時間後…
「たっだいまぁ…。」
疲れきったメモクラムが帰ってきた。
「お帰り…って、メモすけってマントなんて羽織ってたっけ…?」
そろそろと寝るためか、大き目の寝間着のアイネが物珍しそうに見る。
「ウィザードの正装ですよね?それ。」
フリーテの言葉に、うんうんとメモクラムは頷く。
「メモちゃん、早かったねー。」
セモリナが頭を撫でながら部屋へと導く。
「おめでとう、今日は疲れてるみたいだから、今度パーティしようね。何か食べてから寝る?」
ロリアが食器を洗いながら声を掛けるが、メモクラムはいち早く寝たそうだった。
「冷蔵庫にメモちゃんの分あるから、後で起きた時にでも食べな。」
ロリアの言葉を聞くと、そのまま部屋に入っていった。
「相当疲れているようですね。」
フリーテは紅茶を入れながら見送っていた。
「ふん、いきなり転職して驚かそうなんて考えるからだよ。」
アイネはフリーテから紅茶を受け取ると、砂糖をロリアに要求する。
「あはは、そうしたら自分が疲れててそれどころじゃなくなったのかな。」
笑いながら砂糖をアイネに渡すと、ロリアも卓へつき、そして時がゆっくりと流れていく。
今日が終わり、明日という時間が待ち遠しくなる。
はやる気持ちを抑え、先に向かっていった2人の後を追い、3人も再び冒険へと出かける。
夢という名の果てしない旅へと。


To Be Continued.





***あとがき***
ども、Eren=foxです。
一応全ての小説についている一区切りってことで、これにも書いてみたり。

今回はですね、「はいぱ〜ろりあ」様の看板キャラクター達の活躍する
お話にしようかと思ったのですが、途中でしゃばってます(==;
いや、軽く出演してみようかと思ったのですが、なんとなく
区切りついちゃったので目的果たしてない感じになってしまいました。
メモちゃんがまだマジシャンの頃書いているので(一体どのくらい前なんだ)
職業が違ったり、出てくるモンスターも配置変更前なので違っていますが
まぁ、そこはそれでw(無理矢理フェンダーク出してみました)

リンカーネイトは、リーンネイトさんに響きが似てますねw(職も同じだし)
書いてて気付きましたが、まぁ後の祭りですし、
現にこの子実在してますw
小説に出してくれくれ言うので出してみたんですが、
普段から間延びした話し方するかわいい子ですよw
なぜ戦闘中に口調が変わるかという種明かしはしない方向で。
シーザリスはもともと鷹を使わないハンターで、死んだ相棒(鷹のこと)は
辞めてしまった人たちと被せています。
本当に友情の厚いハンターさんで、すごく悲しんでいる時期もありましたから。

「はいぱ〜ろりあ」様の看板キャラクター達は説明するまでもありませんね^^;
私から見たキャラクター達を書いているので少し皆様との印象が違うかもしれません。
尚、このストーリーはフィクションであり、実際のキャラクター達とは異なる過去・性格を持っております、
決して鵜呑みになさらぬようお願いしますw

一応まだ続けるつもりですが、一身上の都合ゆえなかなか進まないのが現状です。
読者の方からの感想は非常に有難いのですが、この小説はろりあ様のサイト「はいぱ〜ろりあ」に
お譲りしているものであり、あくまで「ラグナロク」のお話であります。
ひいては、「ラグナロク」や「この小説」以外のお話はBBSではご遠慮願います。
(特に設定とかのお話はご遠慮願います。設定はほぼ「ラグナロク」と同じに作っているつもりです)

あとがきのために本編が短くなるのはご了承ください^^;
それでは、また次の機会に。